サトウ多めはあまあまデス
 大きな背中を震わせて嗚咽を漏らすケイちゃんが小さな子供のように思えてギュッと抱きしめずにいられなかった。

「俺には…悲しむ資格はない…。」なんて漏らすケイちゃんをたしなめる。

「ママはケイちゃんに悲しんでもらえて嬉しいと思うよ。」

 その言葉を聞いて「うぅ…」とまた肩を震わせた。

 弱い部分なんて見せたことないケイちゃん。
 きっと私以外の人にもそうだったんだろうな。

 鋭い目つきで人を寄せ付けないで、一人で生きていこうとしていたのかな。
 一人で生きていくって、どんなにつらいことなんだろう。

「あの…。私じゃ頼りないとは思うんだけど、ケイちゃんの側にいるから。その…それはダメなのかな。」

 頑なに出ていくって言っていたケイちゃん。
 それがどうしてなのか…。

「俺は…ココには相応しくない。」

「だから…何が?相応しいかどうかなんて私が決める!」

 ハハッとまた乾いた笑いをされて、いささかムッとした。
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