サトウ多めはあまあまデス
「心愛ちゃんのためだろう?」

 オーナーが太陽のように笑う。

 この人はなんでもお見通しだ。
 佳喜が黙っているとオーナーは重ねて優しく笑う。

「ケイの夢は心愛ちゃんの側にいるためだね。だったら…。」

 オーナーはつらそうな顔をしている佳喜の肩をポンポンとたたく。

「ちゃんと手を握ってないとダメだよ。手を離さないことだ。」

 返事を返せないでいる佳喜を残してオーナーは焼き上げたピザを箱詰めし始めた。

 離したくない…。

 そう思い始めている心にそっと蓋をするように、佳喜は目を一度閉じてからオーナーのあとにならって箱詰めを始めた。
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