恋の神様におまかせ♪



「……罰って……」


何言ってんだこいつ。


俺は手を膝の上にのせて、彼女の言葉の意味を考える。

彼女が少し顔をあげて、びしょびしょの前髪の間から、色素の薄い、紫っぽい光のない目と視線がぶつかる。


何故か少し気まずくて、視線を下げてハッとした。


彼女の体に隠れて見えてなかった、腕。


包帯が巻かれていて、大量の血が滲み出ていて真っ赤になっていた。


「お前っ、これ……っ!」


その腕をつかむ。

血が出てる位置は、リストカットでよく皆が切る場所。


俺は彼女を強引に担いで、自分の家に連れていって、応急措置をした。






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