花が咲く日まで
「あそこにいきたいくせに」


希望が花壇を指さす。


「行きたくない」


...行くのが怖い。
昨日のことを言われるのが怖い。


ちらっと花壇を見ると
菊地くんもこちらを見た。


目があった、きがする。


でも、無理で。
そのまま君を見るなんて無理で。

あたしはその場から逃げ出したくて
歩き出す。


「愛音いいの?」

「いい」


あたしは希望も置いて走り出す。

想いに蓋をする。

特別に感じていた想いに。
優越感を感じていた頃に。
蓋をする。

こんなのは
蓋をするべきだ。

想ってもダメなんだから。
かなわないものは
持たないほうがいい。

すべて置いていくよ。


たしかに、菊地くんが特別だった。

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