Mirror World
ユヌフォレ村

決意


「はぁ…はぁ……もう大丈夫かな」


「…もう追ってこなさそうだ」


わたしたちはあの後ひたすらに走り続けた。
門を出て少ししたところに森が広がっていた、
そこへ逃げ込んで木の影に身を潜めることにしたのだ。


「それにしても…さっきのはなんだったんだ?」

「わたし小さい頃からずっと合気道やってたから」


おじいちゃんから言われた言葉を思い出す。
おじいちゃん、わたし頑張ったよ。


「合気道…?」


レムロードが頭の上ではてなマークを浮かべている。この世界では合気道は通じないのかな?


「レイのような能力の優れた人も王国の外にいたんだな…ルミエールも先は長くないな」


落ち込むレムロードに罪悪感を感じる。
恐らくこの世界では、こっちではあたりまえのことがありえないことなのかもしれない。


本当は早く元の世界に戻るためにもこの世界の人じゃないことを伝えるべきだと思うけど、どうしてもまだ伝える勇気がなかった。
レムロードのことも、正直まだ信じきれてない。ここまで色々としてもらっていて、言える分際じゃないけど。
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