君が残してくれたもの
「母の日が終わるまででいいから。ね?」

私はこの話に意外と乗り気だった。

というのも、バイト自体に興味はなくとも、あっちゃんには興味があったからだ。

あっちゃんは、母の友人で、まぁ…花屋をしている人のようには見えない人。

ヘビースモーカーだし、声が大きくて大きな口を開けて笑う。
豪快な人。


幼い頃からちょくちょく我が家にも顔を出していた。

いつも、私の話を豪快に笑い飛ばす。


「仕方ない…」


私が渋々頷くと、


「よかった。あっちゃんよく知らない子を雇うの嫌がってね。高校生になったんならなずな来てくれないかなあって」

母は私がOKすることをわかっていたような感じだった。


私も、嫌な気はしない。

むしろちょっと楽しみなのだ。
< 94 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop