イジワル御曹司の執着愛~愛されすぎて逃げられません!~

(本当は俺、なんにも考えてないんだよな)


たいていの人間は、白臣のことを思慮深い人間だと勘違いしている。


仕事ができて、品行方正で、紳士で優しく、人に嫌われない。
パーフェクトな男だと思われている。

だがそう見えるのは、あくまでも白臣が自分につけた仮面を見ているにしか過ぎず、本当の自分はとても浅い男なのだと、白臣は自覚していた。


(直倫のようにただ一途に人を愛したこともないし、愛されているかどうかもわからない……)


白臣の弟は初恋をこじらせすぎて、兄の目から見てもおかしいくらいあっちにぶつかり、こっちにぶつかりしながら、なんとかおさまる場所におさまった。

外野から見ていた白臣は、ハラハラし通しだったが、直倫はちゃんと自分の力で、幸せをつかんだのだ。


(それに引き換え俺と来たら、いつまで経ってもこんな調子で……駄目だよなぁ……ああ、どうしたらいいんだろう……)


< 194 / 197 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop