夢の言葉と陽だまりの天使(下)【夢の言葉続編③】

(3)


レース直前に雨は止んだが、連日の雨で馬が走る馬場はぬかるんでいて最悪の状態。
こういう場合、いかに荒れていない場所を走るかが勝負に引っかかってくる。

ロイス様のキサラギはスタートが得意で、いつも常に先頭を走ってトップでゴール板を駆け抜けるタイプの逃げ馬。
他の馬が前にいないから泥をかぶる事もなく、気分良く走っている。


一方、俺が支持したレインボーデイは常に一番後ろから勝負をする追い込み馬。
そして1枠1番という位置は馬場の一番内側を回れるから最短距離を走れる。
が、その代償で他の外の馬に包まれやすく、最短距離を走れるという位置は通る馬が多くて、一番馬場が荒れている。

つまり、レインボーデイはレース中たくさんの馬から泥を浴びせられ続け、一番ぬかるんで荒れた馬場を常に走り続ける最も不利な状況だ。

予想通りの、展開。
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