僕に、恋してみたら?


 *


「おはよう、結城さん」

教室に着いてすぐに話しかけてきたのは――委員長の、柳(やなぎ)くんだ。

優等生を絵に描いたような男の子である。


「おはよう、柳くん」

「身体の具合大丈夫? ビックリした、ケガで早退って聞いて」

「もう平気だよ!」

「それならよかった。はい、これ」

渡されたのは、プリントだった。1枚2枚でなく、結構量がある。


「これ……」

「休んでた分の授業のプリント、あずかっておいたんだ」

「え、そうなの?」

「提出期限がはやいのもあるし、休んでた分いくらか先生に免除してもらえるかもしれないけど、はやく受け取っておくにこしたことはないかなって」

「ありがとう!」


なんて優しいんだろう。


「ちなみに今日、英語の小テストあるよ」

「えぇっ!?」

柳くんは、テキストを開いて「ここに出てくる新しい単語、全部」と範囲を教えてくれた。

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