ガード
何事もなかったかのようにそう言ってくれるあずさの優しさが身に染みる。

私を食堂へ送り届けた後、翔は再び優雅に去っていった。

「大丈夫か?」

あずさが心配そうに聞く。

「何が?」

「どこ行ってたんだ?変なことされなかったか?」

「何よ。あずさ、私が翔のところに行くとき、いたって普通な感じだったじゃ・・・」

「翔?!?!」

しまったと思った時にはもう遅かった。

「なんだ翔って。」

「何でもない。」

「やっぱり知り合いだったのか?」

「うん。」

「それだけ?」

「それだけ。」

押し問答をしているうちに、こうして怒涛の昼休息は終わったのである。



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