ガード
ボディガードという仕事上、あずさも私も朝には強いほうだ。

私たちは、水浦邸で働く従業員専用の離れの2部屋を与えられ、そこで寝起きすることとなった。

毎朝起床のたびに思うことがある。

『同居じゃないんだよね。』

あずさは仕方がない。

仕事上、これは致し方ない。


だが翔は。


彼の住む本邸は、私たちの住む離れからはずいぶんと距離がある。

よって同居ではない。

そう自分に言い聞かせているのだ。

そんなことを考えながら、まだ不慣れな部屋の中で顔を洗い身支度を整えて、隣の部屋のあずさを呼んだ。

< 41 / 77 >

この作品をシェア

pagetop