ガード
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本邸に入り、翔の部屋の扉を開けると、そこには驚くべき光景が待ち構えていた。

「おはよ。」

普段はどう起こそうとしても効果ゼロな水浦翔が、自分で起き、すでに服を着替えているという奇跡的な状態。

おまけに日本女性が瞬殺されるであろう例の王子様スマイルを浮かべてほほ笑んでいた。

「あずさ・・・。」

「ん?」

「ちょっと私のほっぺつねってくれる?」

「いいのか?」

「どうぞどうぞ思いきり。」

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「・・・痛くない。夢だ。」

「いやおかしい。華、俺は今結構な力でつねったぞ?」

「ああ・・じわじわ来たかも。」

「なんだそれ。」

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