あまりさんののっぴきならない事情
 だが、あまりは少し考えたあとで、ちょっと赤くなり、子どもが抱っこ、というように海里に向かって手を広げ、言った。

「Bo……Bonan apetition!」
 (めっ、召し上がれっ!)

 海里は笑い、
「上出来だ」
と言って、強くあまりを抱き締めた――。




                                                 完



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