シンビジウムの蕾


そんな心地いい夢の内容を思い出そうとしつつ、私、溝川 夏芽(ミゾカワ ナツメ)は、制服に手を伸ばした。


また今日も平凡な日が始まる事を億劫に感じながらも、支度を終え
朝食が並ぶ1階へ降りる。



トントントン…


まな板で何かが刻まれる音がリビングに響いている。

「おはよう。」


こちらを振り向きもしないお母さんが
私に挨拶をする。


「おはよ」

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