午前0時、魔法が解けるまで。
テーブルの中央に置かれたバスケットにはかわいらしい小花柄の紙が敷かれ、色々な種類のクッキーが緩やかなカーブを描いて盛られている。
ミルクティーのものなのかクッキーのものなのかわからない甘ったるい匂いが鼻をくすぐって、私は目を細めた。
「美味しそう」
「うん。すごく美味しいよ」
そう言って砂川さんはバスケットの傍らに置かれた小さなトングでクッキーをつまみ上げ、花の形を模したかわいい小皿に一種類ずつクッキーを寄せていく。