午前0時、魔法が解けるまで。








「……小さい」



私の手を色んな角度でぺたぺたと触ったり握りしめたりしながら、薫くんはそう漏らした。



「……あの」



さすがに恥ずかしくなって小さく声を上げると薫くんはああ、と何かを察したように言って手を下ろして、手を握り直した。


恋人繋ぎ――私が望んでいたのはそういうことではない。






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