午前0時、魔法が解けるまで。

擦り切れたキリトリ線







いつも通りの日常。

あれから薫くんは至っていつも通りだし、増田先輩のことについて触れることもなかったので謝ろうにもためらいを覚えた。

今更掘り返したらもっと嫌な思いをさせるのではないのか。


それから――かつての美香にそうだったように、私はこうして人を無意識に傷付けてしまっていたのだろうか。



「おい、落としたぞ」



大学構内の自販機。

お茶を買おうと思ってお金を投入した辺りから意識が別のところに行っていたらしく、頭上から降り注いだ声にハッと我に返って振り向いた。






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