楕円の恋。
『さぁ、私達も帰りますかな』

『そうしますかな』

私は腕を組みながら圭子ちゃんの口調を真似してみた。

2人で笑いあった。

バス停から自宅方面へと歩き始めた。

『涼ちゃんやっぱり大丈夫〜??』

圭子ちゃんが心配そうに聞いてきた。

『なんかやっと清々しい気持ち!』

『そ、それならいいんだけど、、、』

圭子ちゃんは信じていないようだった。

『やっと諦めがつきそうだよ。』

私はぐっと親指を立てて笑顔で言った。

『涼ちゃーん!!!』

圭子ちゃんが両手で私の頭をぐしゃぐしゃにしてきた。

『ちょ、ちょっと!頭がボサボサになるよ〜!!』

『涼ちゃんの頭から先輩を忘れさせてやる〜!!!』

私達は笑いながらそれぞれ家路についた。

私は本当に友達のありがたみがわかった。

圭子ちゃん。ありがと。
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