そのキスで、忘れさせて










そんな話をしているうちに、時間は飛ぶように過ぎて。

遥希が家を出る時刻になる。




「じゃ、行ってくるからな」




遥希はいつも通りの笑顔で言ってくれる。

そして、あたしも頑張ってと笑顔で送り出す。




なんだか本当に新婚みたい。

それにあたし、遥希との交際を前向きに考えてもいいんだね!






「美咲、ありがとな」




遥希はあたしに言った。




「お前のおかげで、俺は前向きに仕事が出来そうだ。

……お前のためなら、何でも出来る」




その言葉に、涙が出そうになった。



< 258 / 384 >

この作品をシェア

pagetop