【完】弁当バトル―あなたのために走ります―



 そう。今日もまた、私はお弁当が買えなかった。



 おばちゃんと目が合ったと思ったのは気のせいで、隣にいた男子学生に買われた。



 最後の1つ。幕の内弁当を買われてしまった。目の前で。



 その事実が受け入れられなかった私は、丼もののお弁当の存在を忘れて、なぜか唐揚げを5つ買っていた。



 そして自分のやったことに驚いてしまって、しばらく昇降口付近で佇んでいたのだと思う。魂が抜けたって表現がしっくりくるかも。


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