イジワルな副社長に恋してる!

晃は、店に向かう間、さっきの事を思い出していた。

カフェで絢香を待っている間、何人かに声をかけられた。
適当に話して、最後は待ち合わせだからと、言って微笑んだ。
その後ろに絢香の姿を見た。

慌てて、店をでると、フォローすればいいのに、つい思っていない言葉がでた。
しかし、今、こうして歩いていても、とくに絢香は気にしている様子もなく、それが余計に苛立った。

(ー 他の女と話そうが、興味なしってことか。)

店に入りカウンターに座わり、注文を終えると、絢香はいきなり本題に入った。
「今日は何?」
その言い方に晃はまた、少しイラっとした。、
「来週土日休み?うちの社長がどうしても、奈々にも軽井沢に来て欲しいって。俺の講師として。勿論、給料は出すって。」
つい、湊の所為にしてしまった。

「泊まりってこと?」
絢香は少し考えるように言った。
「ホテルだから部屋もきちんとある。1日目にリハやって、2日目が本番。別に俺は絢香がいなくても、もう大丈夫だと思うけど、湊は心配性だから。仕事だよ。」
晃はつい、心にもない言葉が口をついた。
そして、目の前のビールを流し込んだ。
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