記憶のないお姫様



「り・・・鈴❗」



「きゃあぁ!?」


耳元で春の声がして、飛び起きる。


「もぉ!早く準備しなきゃおいていくよ!」


「ふあぁー!・・・わかったよぉ!」


私はいつのまにか家に帰ってきて、寝ていたみたい。



・・・覚えてないけど。


あ、そうそう。


今から、見回りにいくんだ。


凛精と一緒に。だって、凛精が納めてる地帯だからね。



私はベッドから降りて、銀色のウィッグを被る。目には赤のカラコン。


そして、黒のスキニーパンツに赤紫のTシャツ、黒のパーカーを着れば闇鈴の完成。



春はもう準備をしている。


春も銀色のウィッグに赤のカラコン。


黒のミニスカートに黒のタイツ。黒のパーカーを着れば闇桜の完成。


あ、春のウィッグはセミロングで、私はロング。



なんだけど、そのままロングだと邪魔だから、ポニーテールにしてる。



「ああー!!時間!!」


「えぇ?」


呑気に時計を見る。


すると、時刻はもう七時になる頃。約束は七時。


「・・・はしるぞい!!」


「うえぇぇ・・?」


もう、遅刻決定なんだから、走る必要ないじゃーん。

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