キミの瞳に








「ありがとう、ございます」








ペコッと男の人のにお辞儀をする。









「落とさないようにね」










男の人はそう言って私の頭をポンと軽く撫でて人混みに紛れて行った。









「っ…」








お父さん以外に頭をポンッてされるのなんてやってもらったことないからびっくりしてしまった。







まだ見える全く知らない男の人の背中を見つめる。






こんな街中で、きっともう会うことはないだろうけどすごく優しそうな印象を受けた。









受け取った猫のキーホルダーをキュッと握る。









「ありがとうございました」










ボソッと呟いて私歩き出した。





















< 3 / 165 >

この作品をシェア

pagetop