失礼男の攻略法

それで?と無言の圧力をかけるように、首をかしげてじっとみると

「コンサルの先生からも、他にないと言っていただいていているのですが」

面白みもなんともない返事が返ってくる。こいつがイマヒトツ足りないのは、こういうとこだよな、と思いながら

「で?お前はどう思うの?」

めんどくさいけど言葉にしてみると、すぐにはっとなっている。

まぁ、そこで気付いたなら良しとするか、と思っていると

「一度、持ち帰らせていただいて、3日後に再度お時間いただいてもいいでしょうか」

すぐさま言ってくる人事マネージャーの原田。こういう空気の読み方は悪くないんだよなと思いながら

「いいけど、制度とかしょーもないことだけじゃなくって、訴訟リスクがどうかってリアルな想定が聞きたい」

無茶なオーダーを入れてみた。これで、あいつも、こんな誰がやっても同じような仕事じゃなくって、ちょっとは本気だしてくるだろう。


次はどうやって楽しませてもらおうかなー。

俺をワクワクさせるのが社内の人間じゃないのが残念だけど、一度面白そうとおもったからにはトコトン付き合ってもらうぜ。


3日後が楽しみだ。


  Side 失礼男 終

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