失礼男の攻略法

長くなりそうでめんどくさそうだな、と思いながらも

「承知しました」

ニコッと微笑むと

「よ、よろしくお願いします」

言いながらも、目を逸らされてしまった。この人にとっては結構な勝負の場だろうに、イマイチ緊張感がないのは大丈夫なんだろうか。ちょっとだけ心配になる。

でも私の今日の最大の目的は、あの男をギャフンと言わせることだ。とにかくそれに集中しよう。


案内された前回と同じ会議室には、あの男の姿はまだなくって、人事の担当者とコンサルの方だけだった。

挨拶をしながら席についたところで、入り口から姿を現した失礼男。今日はジーンズにボタンダウンシャツというすごいラフなカッコをしている。

見た目がいいだけあって、それも様になっているのにキュンとしてしまう自分が悔しい。とにかく、今はこの男は敵なんだって言い聞かせて軽く会釈をした。


「じゃあ、はじめて」

席につくなり失礼男が発した一言で、会議室の空気が張り詰める。さすがに原田さんも、キッとした表情になり説明を始めた。
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