失礼男の攻略法

これがカリスマってやつなのか、と妙なところに意識を持ってかれていると満足そうに頷いている失礼男が目に入った。

きっと私がこの話に興味をもっていることがわかっているのだ。だけど、ここでただお願いします、なんて言えない。

落ち着いて考えるために、お酒に口を付けながら、自分のやるべきこと、やりたいこと、できること、を思い浮かべる。そして、失礼男に視線を合わせた。

「私の場合、面白そうっていってすぐに事務所を辞めることはできません。今抱えてる案件を考えると最低半年は身動きがとれないです」

そう言っても失礼男は特に反応を示さず、それで?というような表情だ。

「正直すごく魅力的なお話だと思ってます。だけどチャンスを与えていただくたけ、では動くことはできません。ただ面白い、だけじゃなくって私のやりたいことがビジネスになるか、見極めてから、本当に私が必要な人材か見極めていただけませんか?」

じっと失礼男の目を見て、そこまで言い切ると、ちょっとびっくりしたような表情のあと、声こそあげないけど、さっき会議室で見たような屈託のない笑みをみせてくれた。
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