失礼男の攻略法

「やだよ!」

反抗しながらグラスに残っていたウイスキーをグイッとあおると

「そんな飲み方すんなよ」

たしなめられる。とりあえず空になったグラスにウイスキーを注ぎ足してると

「俺の紹介がやだったら、いっそのこと見合いする?よりどりみどりだぞ」

ロクでもないことを言う兄。心配してくれるのはわかってるけど、こういうところが本当に残念だなって思う。

「あのね、私はパパの娘だし、お兄ちゃんの妹だけど、山岸とは関係ないの。だからそれ目当ての人なんてゴメンだよ。お兄ちゃんの紹介も似たようなもんでしょ」

冷静に文句を言うと

「まぁ、そうだよなー」

って言いながら何かを考えている様子。そして私の髪を優しく撫でながら

「まぁ、千秋の場合は色々難しいよな。俺がこんなイイ男のせいで、逆にダメそうな男ばっかり見つけてきちゃうし」、

とんでもない俺様発言をしてくる。
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