いつの間にか、溺愛。
風呂から上がりに部屋でゆっくりしていると、着信が鳴った。

〜♪

「……はい」

「もしもし、いま家?」

「はい。……そうですが?」

「なんで敬語?」

先ほど会ったばかりの電話の主人は、第一声の声より少し不機嫌になった。

「てか、毎回なんなの?なんで母と一緒にいるのよ?」

「一応、主治医だし?」

「だからって、居なくてもいいでしょ?ご多忙なお医者さんって伺いましたけど?」

「それより、明日は暇?」

「ねぇ?私の話、聞いてる?」

「仕事終わりだから、19時に駅ビルで大丈夫?」

「勝手に話を進めないでください」

「……怒った?」

「怒ってない!」

「ははっ、めっちゃ怒ってるじゃんっ」

「怒らせてるのは誰ですか!?」

「あは、ははっ ごめんね。鈴と話してると思うと嬉しくて。とりあえず明日会える?」

何ともサラッと私の胸を騒つかせる言葉を発してくる彼。

「だ、大丈夫、だけど…… 」

「マジで!良かったぁ〜 じゃまた明日。おやすみ」

用件だけ言い切った彼は忙しそうに電話を切った。

一体、彼は何がしたいのだろうか。

仮にも彼女がいる身で私なんかと会ってもいいの?

と、同時にふわふわ心に秘めていた私の気持ちは正直だった。
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