寄生虫
リビング
克哉が真尋の為にサッカーを頑張るようになったとしたら、それはまさしく愛のパワーだ。


あたしは家に帰ってからぼんやりとそんな事を考えていた。


「いいなぁ」


思わずそんな本音が口をついて出てくる。


いつも京介の隣にいる克哉の事は自然と視界に入っていたけれど、確かに克哉は変わったと思う。


授業態度もあまりよくなかったし、どちらかといえば先生の手を煩わせるような所がある生徒だった。


それがここ数カ月でまるで別人のように変化していたのだ。


変化のキッカケはきっと真尋だ。


真尋に対してはなんでも素直に話していたらしいから、相談に乗ってもらっていう内に気持ちの変化が起こったのだろう。


あたしは真尋と克哉の姿を思い浮かべた。


普段は気にせず2人の姿を見ているけれど、こうして思い出して見るととてもお似合いのカップルだった。



あたしも京介とそんな風になれたら……。


思わず、そんな事を考えたりする。
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