寄生虫
熱中症
その日、夜になってからあたしは真尋からメッセージが届いていることに気が付いた。


院内で電源を切ってから、入れるのを忘れていたのだ。


「やば……」


小さく呟き、すぐにメッセージを確認する。


大事な要件だったらどうしよう。


その思いはすぐに的中してしまった。


《今日、克哉が1人で練習している時に熱中症で倒れちゃったみたい。ねぇ、本当に克哉はどうしたんだろう? 休みの日に1人で練習なんて、今までしてこなかった。京介は部活に熱心になっただけだって言ってたけど、信じられないよ……》


「克哉が倒れた!?」


あたしは思わずそう呟き、メッセージが届いた時間を確認する。


14時30分くらいだ。


病院から戻ってきて、家族で遅めの昼食を囲んでいる時だった。
< 126 / 195 >

この作品をシェア

pagetop