寄生虫
「自殺って……?」


「昨日病院に搬送された子……克哉君だっけ……? 今朝、病院で自殺してるのが発見されたって」


は……?


あたしはバラの言っていることが全く理解できなくて瞬きを繰り返していた。


「なに? どう言う事?」


「詳しい事情はあたしには聞けなかった。でも、真尋ちゃんから家に電話がかかって来たよ」


そう言われてあたしは弾かれたようにテーブルの上のスマホを手に取った。


画面には10件のメッセージが届いていると知らせが来ていて、それはすべて真尋からのものだった。


《今日は夜遅くまで突き合わせてごめんね。あたしは今日、病院に泊めてもらう事にしました》


最初のメッセージは夜中の3時半頃。


真尋は帰ったと思っていたけれど、泊まる事になっていたみたいだ。


次のメッセージは朝の7時頃だった。


《サナギ、どうしよう! 克哉が!!》


それから数分おきくらいにメッセージが来ている。


《あたしのせいだ!》


《なんでこんなことになったの》


よほど混乱しているのか、すべてひらがなで短い文章ばかりが並んでいる。
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