寄生虫
生まれる時
家に帰ってからもとても心地のいい気分だった。


あたしは自分で自分はダメなのだと決めつけていたのかもしれない。


自分よりよくできるバラが目の前にいたから、出来なくて当然の事でも出来なきゃダメだと思い込んで、自分で自分を追い込んでいたのだ。


気が付けば猫背になり、うつむくことが多くなり、自分の顔さえまともに見てはいなかった。


これほどバラにそっくりなのに、あたしはバラとは似ていないと思っていた。


バラは姉であたしは妹。


バラの方が知識が豊富で当たり前なのに、あたしの方が少し負けていて当たり前なのに、そんなことにも今まで気が付かなかったなんて……。


でも、もう大丈夫。


あたしは蝶になってバラと支え合って生きて行く事ができる。


それにはまず、病気を治してから……。


そう考えていると、あたしは自然と眠りについていたのだった。
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