寄生虫
それは母親だからこその考え方であたしは「なるほど」と、思わず尊敬してしまった。


しっかり者だと周りはバラを頼りにする。


バラはそれに答えるために必死になっているかもしれない。


そんな事、考えたこともなかった。


「そんな事より、腕大丈夫なの?」


テレビを見たままお母さんはそう言った。


「うん……あんまりよくないかも」


あたしは正直にそう返事をする。


薬がきいている時間はよかったけれど、効能が薄くなるとまたかゆみがぶり返してきた。


「今日、皮膚科へ行ってみる?」


お母さんが心配そうな顔を向けてそう聞いて来た。


「そうだね。病院に行けばもっといい薬がもらえる」


あたしは頷き、さっそく出かける準備をはじめたのだった。
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