寄生虫
そう思っていると、予想通りすぐに順番を呼ばれて診察室へ向かった。


ノックをして入ると白髪交じりの先生が細い目であたしを見て来た。


「腕のかゆみがあるの?」


見た目よりも随分とハッキリとした口調でそう聞いてこられて、あたしは「はい」と、頷いた。


右腕を前に突き出して見せると、先生は「あー」とか「うー」と抽象的な言葉を発しながらあたしの腕に顔を近づけた。


「これはかゆそうだね。ダニかノミにやられてるんだと思うから、過ごす部屋は清潔に保って。よくきくかゆみ止めを処方しておくからね」


アッサリ診断されて、ものの5分ほどで診察は終わった。


変な皮膚病だったらどうしようかと心配していたので正直拍子抜けしてしまう。


待合室に戻ってすぐカウンターで名前を呼ばれ、支払と薬を受け取った。


「ダニやノミでも悪化することはあるから、ちゃんと掃除しなきゃね」


あたし同様にホッとした様子のお母さんはそう言って、2人で病院を出たのだった。
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