寄生虫
久しぶりの
3人でデパートの中を歩いているとなんとなく妙な気分になり、あたしは半歩い遅れて付いて行っていた。


「サナギはこういうのが似合うんじゃないの?」


歩いているとバラがそう言って服屋の前で立ち止まった。


見ると、パステルカラーのニットを手に持っている。


カラフルなボーダー柄で今まで着た事のないタイプの服だ。


「それはちょっと派手だよ」


「パステルだから大丈夫だよ。ちょっと着てみれば?」


バラに促されて、あたしは半ば強引に試着室へと連れて来られてしまった。


普段は白や黒と言った単色しか着ていないため、なんだかすごく違和感がある。


それでもなんとか試着してみると、華やかな自分が鏡の中にいて思わず二度見してしまった。


服を変えただけで自分が自分じゃない感覚になる。


「なんだ、よく似合ってんじゃん」


そっと開けたカーテンの隙間からバラが顔をのぞかせてそう言った。


恥ずかしくてカーテンを大きく開く事も嫌だ。
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