寄生虫
最後の休日
買い物から戻ったあたしは残りの宿題をすべて終わらせて、夜にはのんびりとテレビを見て過ごしていた。


右腕は時々かゆくなる程度で、今のところ我慢できる範囲内だった。


「明日は床にワックスでもかけてみたら?」


そう言ってきたのはバラだった。


「ワックス?」


あたしは聞き返す。


「うん。せっかく部屋が綺麗になったんだから、ピカピカに磨いてみればいいじゃん」


学校の教室などにワックスをかけたことはあるけれど、自分の部屋にワックスをかけたことは今まで一度もない。


ワックスと言えば乾くまで歩いたらダメなイメージがあり、自室にかけると不都合だと思っていた。


「家庭用のワックスは臭いも少なくてすぐに乾くのよ。やってみたらどう?」


そう言ったのはお母さんだった。


お母さんがそう言うならきっと間違いないんだろう。


部屋を綺麗にしてかゆみがこのまま消えていってくれれば一番いいし、あたしは素直に頷いたのだった。
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