僕の太陽
距離
圭佑に、
「好きだけどダメ」みたいな事を言われたあと、
あたしはむかつくし悲しいしで
いらいらしながらトイレに入った。



バタンと個室のドアを閉じ、
床を見るとなんか前の個室から流れてきている。

赤い。
しかも多い。



「ち、血!」


あたしは急いで便器の上に乗り
隣の個室を上からのぞく。


するとそこには手首から血を流し
気を失っている綾川さんの姿があった。


「えっ、どうしよっ、
救急車?何番だっけ?」


やっとの思いで携帯をポケットから取り出し、
震える手で3つのボタンを押す。


「南高です!
お願いします今すぐ!」


駄目だテンパりすぎて涙出てきた

綾川さんはやく、出さなきゃ…

綾川さんのいるドアを勢いよく
揺らす


ボロくて建て付け悪いんだから
開きなよ!


< 45 / 58 >

この作品をシェア

pagetop