女嫌いと男性恐怖症
第25話 心の声

 出かける前に、晶は家中のシーツを洗った。

 遥にも、部屋のシーツを全て持ってこいと持ってこさせて。

「どうしたんですか? 何日かおきには洗ってますけど」

「今日は、いい天気だからだ」

 本当の理由を悟られないように、空を見上げる。

 確かに空はどこまでも高く、いわし雲が浮かぶ秋らしい澄み切った空だった。


 事務所に行くと陽菜が来ていて、気まずそうな顔をした。

 そんな陽菜に、声もかけずに晶は自分のデスクに座る。
 引き出しから、仕事用のPHSを手に取っている。

 その行動に、遥は驚いたように晶と陽菜を交互に見た。

 陽菜は肩をすくめて「いつものことよ」と、遥にだけ聞こえるように言った。

「おぉ。アキ来たか。遥ちゃんも、いらっしゃい。雑多としてるが、その辺でくつろいでいってよ。で、アキ。このことで相談したかったんだが」

 二人は仕事のことを話し始めると、奥の部屋に行ってしまった。

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