永遠に覚めることのない夢
桜の君の鋭い口調が、刺さるように聞こえた。

「過去に好きだった人が、意中の人と結ばれたの。喜びなさい。」

「嫌よ!私は、認めないわ!今すぐ出ていけ!」

「フフフ。」

常磐へ笑うと、手に握っていた扇を床に落とした。

パンッ!と、音を立てて、扇が跳ねた。

何をするかと思えば、常磐は、桜の君の扇を自分の足で踏みつけた。

扇は、パキンと、割れてしまった。
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