永遠に覚めることのない夢
慌てて誤魔化したが、下手ね、あたし。

「咲佐納常磐、ちょっと来てもらおうか。」

忍君が、あたしの手をグイッとひいて野次馬を避けて歩いていく。

「離してよ…………待って!」

「…………」

どうして?
どうして、こんなこと。

【止まりなさい!】

そう念じると、忍君はビシッと止まり、あたしの手を離した。

【動いてもいいわ。】
< 181 / 200 >

この作品をシェア

pagetop