白い糸
私は少し驚いた。ここまで涙が出そうな声で嬉しそうに言ったことに。

「思い出してくれたんだね…」

「…」

彼にそう言われて、私は何も言えなかった。

記憶についてを言った方が良いのか心の中で自問自答を繰り広げていたから。

「…あおちゃん?」

また、微かな記憶にある呼び方で呼ばれた。

私ははっとした。

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