【完】うぶな私がイケメンチャラ男と恋するまで


悠子の方をきっと睨んでいると突然後ろから声がして思わず振り返る。





「うぇっ?」





あ、ヤバイ。変な声出た…





「何だ。
こんな女か…」





私の顔を見て早々大きなため息をつかれる。

は、はあああ?!

人の顔見てため息って何て失礼なやつだ!!





「久しぶりに月星が狙った女だっていうから見に来たのに…邪魔したね」





勝手に来て勝手に失望して勝手に帰っていこうとするので





「ま、待って待って!
何でそんな私が悪いみたいになってるんですか!
っていうか誰?!」





腕を掴んで無理矢理こっちを向かせると





「俺のこと知らないの?
宮野怜央(みやの れお)、月星とは中学から一緒で宇宙(そら)コンビって呼ばれてんだけど」





……存じ上げません。

試しに悠子の方をちらっと見ると


"松下くんと1.2位を争うくらいのイケメンで有名なプリンスだよ!"


ま、マジですか…

格好いいけど、格好いいけど!!

性格がダメでしょ?!





「それじゃ、俺はこれで」





ペコリと一礼して帰っていく。





「最近忙しないよね…」





手を合わす悠子。

全然嬉しくないです。何とかしてほしいですーー!!





「ねえ私、本当に知らなかったんだけど。なに?宇宙コンビって」

「璃乃、そっち方面全然興味なかったもんね…」





何か苦い顔されたけど…なかったものはなかったんだから仕方ないよね?

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