【完】うぶな私がイケメンチャラ男と恋するまで


顔を上げて声の主を確認すると





「橋本くん…?」

「あ、はい…
あの。体調が優れないなら保健室ついていきますよ…?」





心配そうな顔でのぞき込む彼は橋本幸大(はしもと こうた)。

クラスの委員長で弱々しいけどやるときはやる感じでしっかりしてる。

周りの空気を読める、他人を最優先させるようなそんな優しい印象。


今まであんまり喋ったこともないのに心配かけちゃったな…





「ううん!
ごめんね、大丈夫だから」

「そうですか、それは良かったです」





眼鏡の奥の目がふわっと優しく笑う。


この人暖かい雰囲気の人なんだ。





「璃乃!大丈夫?!」





先に授業の教室についていた私に駆け寄る悠子。





「うん、何とか落ち着いた」

「そ、そっか。良かった…
凄い心配してたんだよ、窓から飛び降りたりしたらどうしようとか!」





流石にそこまではしないよ笑





「橋本くんのおかげなんだ」

「え、委員長?」





意外って顔。まぁ、私もビックリしたけど。


とりあえず救われたのは事実。


橋本くんには感謝しなきゃな。

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