ソウル・メイト
「なるほど。でも、奥さんは旦那さんがこんな状態の家に住んでいるって知らないのかしら。見に来ないの?」
「来れるとしても、そう頻繁には来れないでしょう。だから旦那はひとりで赴任してるのよ」
「あぁそうか」

斉木さんの言うこと全てに説得力がある。
そして、単身赴任者であるこの家の住人の、今の住みかの状態にも、視覚と嗅覚に訴えるには十分過ぎるくらいの説得力があった。

「それに、奥さんがこっちに来るより、大体毎週末の割合で旦那の方が家に帰るパターンの方が多いんじゃない?」と斉木さんに言われて、私は「そうね」と言いながら頷いた。

「こういう人たちがいるから、家事がビジネスとして成り立ってるのよねぇ」
「えぇ。そうね」

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