ソウル・メイト

「だから先生は、千鶴ちゃんのママに会ったことがあると思ったんだ」
「・・・え？あ、ぁ。そうです、ね。あの時はどうも・・千鶴がお世話になりました」
「俺はただ、医者としての仕事を全うしただけです」

安藤先生の言い方と表情から、自分の仕事に自信と誇りを持っていることが十分伝わってきて、私はなぜか胸の内がジーンと熱く震えるように、感動していた。

「・・・それじゃあ私たちはこれで、失礼します」
「あ！ちょっと待った」
「はい？」
「花見。行きませんか」
「・・・はい？」
「明後日、参堂公園で花見するんです。少年野球のメンバーで。よかったらご主人も一緒に」
「主人はいません」
「え」
「パパはいないの」
「あぁ・・そっか」と千鶴を見て言った安藤先生は、今度、私を見て「そうか」と言った。