マ王の花嫁 
「え。えぇ、まぁ・・・。だから、ライオネル様は私の事なんて、気に入ってはいないのよ・・あ、でもこれは、ここだけの話にしておいてね?」
「はい・・・あのぅ、差し出がましい事を承知で、あえて申し上げますが。王妃様は勘違いをなされていると思います。たぶん・・いえ、きっと」
「・・・そうね」
「本当に。だって、ライ様は貴女様に夢中ですから」

レイチェルを安心させるように私は微笑むと、「ありがとう」と言って、ギータを渡した。

「本当はギータと一緒に寝たいんだけど・・・やっぱりダメよね」
「残念ながら」

私はキュンキュン鳴くギータを優しく撫でると、レイチェルにも「おやすみなさい」と言って、扉を閉めた。

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