マ王の花嫁 
大広間に設えたテーブルには、こんがりと焼かれた肉や、燻された魚のスライス、色とりどりの新鮮な野菜と果物が、所狭しと置かれている。
飲み物も招待客に惜しげもなく振る舞われているし、使われている食器類も、全て立派なものばかり。
ロドムーン王国は、物資が豊かな国なのだと改めて思う。

(クレイン王家の紋章だとニメットが教えてくれた)獅子の紋章が彫られている、冷えたピューター製のコップで、ワインやエールやシャンパンを飲む招待客は、皆楽しそうで、ライオネル王と私の婚礼を心から祝福してくれている。
少なくとも、ここにいる王宮関係者や近隣諸国の統治者たちは、誰一人として、ライオネル王のことを尊敬こそすれ、恐れてなどいない。

私の実の父親であり、私に「魔王」の所以を教えてくれたドレンテルト王でさえ、今では祝宴の楽しいムードに便乗している始末。
こんなことなら、本物のジョセフィーヌ姫を嫁がせた方が、双方の国家のためにも良かったのでは・・・。

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