マ王の花嫁 
ライオネル王・・いない。
布団も冷たくなっているということは、私よりもはるかに早く起きたのだろう。

王は今、何をしているのかしら。
もう執務を始めている時間?
まさか、ラワーレ王国に襲撃をしに・・・!

自分で行き着いたその考えにぞっとしながら、私は急いでベッドから下りた。
動いた途端、体の奥が痛んで、つい顔をしかめてしまう。

あぁ。昨夜はライオネル王と・・・。

ついさっきまで、重く、そして速く響いていた鼓動が、昨夜体験した、初めての行為を思い出してしまったおかげで、より速くなったような気がする。

カアッと火照った頬に両手を当てながら、ふと下を見たとき、自分が寝着を着ていることに、今気がついた。

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