マ王の花嫁 
「異性にそこまで熱心なご様子を見せたのは、初めてではございませんか?」
「これは俺のクイーンだからな」
「結婚する程仲がよろしいということですなっ!いやぁ、めでたいめでたい!早く二人ご一緒の画を描きたいですっ!」
「筆の進行具合は」
「あ、あの・・」
「クイーンのデッサンはもうすぐ・・・ええっとそうですねぇ、後15分もあれば出来上がります」
「そうか。今日はそこまでだ」

さっきから私の存在を無視して、ライオネル王は、アイザックと会話をしているのに、王は何故か私から視線を外さないし。
それに王は、アイザックと話しながら、何故か私の顎を、親指でさりげなく撫でるようになぞって・・・。
そういうことを平然とされると、私の鼓動は激しくドキドキと打ちっぱなしなってしまう!

そんな私の「状態」が分かっているという感じで、ライオネル王はニヤッと笑うと、やっと手を離してくれた。

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