見上げた空は広かった
「ごめん。俺なんか酔ったみたい。かえろう」
俺はベンチから立ち上がる。
この時は酔いどころかハイですらなかった。
けれどもこのままだと彼女に申し訳なかった。

「そうだね」
そういうと彼女は買い物袋を右手に持ち立ち上がる。
「もつよそれ」
そう言って俺は彼女の持っている買い物袋を左手で受け取ろうとした。
「いいよ、これ自分のだし」
彼女はニコッの優しく微笑むと僕の左手を拒んだ。

俺たちはたわいのない会話をしながら帰った。
明日、どのクラスに行かないといけないのか、教室は何階にあるのかだのどうでもいい話をして部屋まで戻った。


「じゃぁまた明日」
ハナは部屋の前でそういうと俺に背を向けて向かいの自分の部屋の鍵を開けようとした。


「ねぇ、」俺は彼女に声をかける。
「番号教えてよ。ジョイント吸う時連絡するから」
「いいよ」

彼女はそういってポケットを漁り始めた。
彼女は白色のケータイを出すと俺に番号を教える。 


こうして俺はハナに出会った。
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